
全国の皆さまから寄せられた5,128通の「“こころ”のメッセージ」を盛り込み、
平成23年11月6日(日)の閉会式にて発表しました。(メッセージの最終応募総数は5,246通)
発表は京都府内の中高生の代表が日本語・手話・英語で行い、「未来に伝えたい大切な“日本のこころ”は何か、それを問いかけ続けることが大切ではないか」と、世界に向けてメッセージを発信しました。
太平洋の湿潤な季節風を受け、突発的な台風にみまわれる夏。シベリア大陸からの季節風を受けて大雪にみまわれる冬。熱帯から寒帯につながる列島に暮らす私たちは、古来、それらの自然に畏敬の念を持ち、農業や漁業を営んできました。
自然は、時に恵みを与え、時に脅威となり、人々はそうした自然と共生しながら、日本特有のこころを育んできました。
東日本大震災では、多くの方々が、家族や大切な人を、住む家や街を、そして大事な故郷を一瞬にして失い、想像を絶する哀しくつらい体験をされました。
私たちは、その自然の力を前に人間の無力さを感じるとともに、被災された人々が、その極限的な状況においても、けっして利己的にならず、思いやりと感謝の気持ちで、互いに助け合いながら生きていこうとされる姿に、そして、その不屈の精神に深い感銘を受けました。
私たちが、今、そして未来に向かって伝えていかなければならない、もっとも大切な精神の一つがそこにあったのです。
一方で、私たちが向き合う自然は、とても変化に富んだ豊かな四季を繰り広げます。 私たちの先人は、その自然の変化やそこに生きる人間の機微を敏感に受け止め、独自の美意識と伝統的な文化を育んできました。
人間の「はかなさ」や「弱さ」にも向き合い、そこから、傲慢さや華美を戒める文化を深めてきました。一見粗末なものや古びたものに新しい価値を見つけ出す「わび」「さび」の精神や、「始末する」という浪費の戒め、足りない中に充足を発見していく境地などにも、伝統的な精神を見つけることができます。
たとえば、「急須でお茶を入れて飲む」という行為、それは、単にお茶を飲んでのどを潤すだけではなく、茶碗にお湯を注いで適温になるのを待つなどの「段取りの時間」を持つことであり、そういった時間の中に「こころを整える」という知恵が込められてきたのです。
2011年秋、京都で開催された国民文化祭。
私たちは今、開催テーマ「こころを整える」という「こころのあり方」について、改めて自分の心の中に広がってゆく大きな波紋を見つめています。
社会の激しい変化の中で、便利さや快適さのみを追いかけて、私たちは、何か大切なものを見失ってはいないでしょうか。
人間の限界を見失い、「自然を支配できる」といった思い上がりに陥ってはいないでしょうか。
全国から寄せられた5,128通の「こころのメッセージ」。
皆さんからのメッセージを受け止めて強く思います。
最も大切なことは、この問いかけを私たちが持ち続けることではないか、と。
私たちにとって、「未来に伝えたい大切な“日本のこころ"とは何ですか?」
(第26回国民文化祭京都府実行委員会)